ウィリアム・バトラー・イェイツ作「円環(ガイヤー)」

円環也、円環也、神さびし石の御顔よ照覧あれ、 ながき思索を経たる事柄もはや思索に得耐えざり、 美は美のゆゑに、価値はこれ価値のゆゑにぞ滅びゆき、 いにしへの輪郭といふ輪郭は塗りつぶされたるを。没条理的なる血のたばしりが大地を汚せば、 哲人エム…

ウィリアム・バトラー・イェイツ作「再臨」

めぐりまためぐり、広がりゆく螺旋を描きつつ、 鷹は聴きとれない、鷹匠の声を。 物象七花八裂し、中心は中心たりえず、 まったき無秩序放たれて世をたち覆えば、 血で濁った潮流があふれ出し、 いたるところで、清浄無垢の典礼を呑みこむ。 最良のともがら…